2018年5月10日木曜日

29180510 家内の回復の兆し

”おはよう、今何時?”
外泊で家に泊まっている家内です。
突然、普通に話し始めました。
夜中の2時です。
”2時とは思わんかった。植物の電気が消えてる”
水耕栽培器のことです。
”うん、朝6時について、夜10時に消えるねん”
いや、そんなことはどうでもいい、何をしゃべってるんだ僕は。
涙が出てきた。
”どんな感じ?治ったの?普通にしゃべってるよ”
”わからへん”

違うそんなことを言いたいんじゃない。
”ぼくの一番大事な人や”
”うん”

一時的に正気になったのだけかもしれない。

”今までのこと覚えてる?”
”うん”

”僕に何かしてほしいことある?”
”ううん、ない”

あれ?、ちょっと?、そうなん?

”眠たいの?”
”わからへん”

また、寝息をたて始めた家内。

僕は、眠れません。
また、家内の意識がどこかへ行ってしまうかもしれない。

喜びと不安と。
焦ってはいけない。

この病気は時間がかかると、主治医からも、福祉センターの方からも言われている。
発症して6ヵ月、まだまだかかるはず。

落胆するのが、怖い。
明日の朝の家内の様子がどうなっているのか、予想がつかない。

でも、着実に良くなっているのは確かなようだ。
そう思いたい。

僕は眠れない。
不安だ。
喜びだ。

眠っている家内を起こして、もう一度確かめたい。

だめだ、睡眠をじゃましちゃいけない。
疲れているはずの家内。

がりがりに痩せてしまった家内。
今は、このまま寝かせてあげよう。

僕は眠れない。

不安と希望の夜を起きている。
焦るな。

明日、家内が今まで通りでも落胆しないよう自分に言い聞かせる。

そんなに急に治るのか?
そんな話はネットでも見たことがない。

そうだ、やはり一時的なことだ。

比較的調子が良い日、という表現はネットで何度も見た。
調子に波があるのだろう。

さっきは、その比較的調子がいい時に目が覚めただけかも知れない。
喜びが大きかっただけに、明日が怖い。

僕は眠れない。